2016年2月14日日曜日

The Smoke における不思議なエロティシズムとLegend のそれを比較してみる。①

The Smoke へ私のはまりっぷりが尋常ではないのは拙宅に立ち寄られ、The Smoke
関連記事を見られたら明らかかと思います。

そう、私はキングスマン観て、このコいい役者になりそうだなーと最初の出会いからほぼ1年以上スルーしていたタロン・エジャトン(Taron Egerton)に興味を持ち、インタビュー類のある種天然さ、賢いけど無防備な受け答えに非常に興味を持ち、その他出演作が全く入手できない憂さから、たいして出てないんだろうけど・・・The Smokeを買ったの。 そして、これですっかりとどめを刺されました。
泣く子と地頭じゃないけど、この大粒の涙に勝てるヤツいないと思う。

本筋ストーリーもきっちり美しく感動的ではあるのだけれど、ウラ的に何気にエロティック。 これが、やはり半端じゃない庇護欲をそそる少年を演じきっているタロン君のさせる技としか思えない。もともと折り込み済みの演出だったのか、思ったより演技派だったタロン君により想定外の効果を生んでしまったのか、どっちなのだろう?

そんはずないと頭では理解しているはずだが、感覚のほうが真っ向からそれを否定する。中年男と少年のはかない悲恋物語に見えてしまう不思議な感触。
ちなみに…このThe Smokeにおいて、魔性の少年アズボをチカラいっぱいかわいがり、保護して守る上司ケヴが惑わされて、少年に手を出すという展開はこのドラマではまったくあり得ない。というか不可能な、そんなこと絶対できない設定になっている。

ケヴは労災で大火に下半身焼かれ、男性機能を失っている。結婚するつもりだった長年のGFとも
それが原因ですったもんだもする。なので、まず少年に手を出すのも不可能。誰にとっても一番安全なオオカミなのである。(たぶんね)

そのうえ実はその大火の放火犯の片割れが、新しく部下となった少年なので、ケヴが犯人を見つけ出すと息巻き、その特徴として語られるドラゴンタトゥーが少年の臀部にはある。なので、少年のほうが色仕掛けをと思っても、自ら秘密にしている放火犯であることを暴露する羽目になるので、ケヴの前で裸体をさらすことなぞできず、服を脱ぐことはない。いや、少年が意を決して身を投げ出したとしても、ケヴが大火の恐怖とトラウマとセットになっているドラゴンタトゥーを目にして色っぽい話になるのはキビシイ。 そして少年だって、巻き込まれただけとはいえ、自分のせいで不俱になった男の傷だらけの体を見て先に進めるとは思えない。
プラトニック以上になど、どうやってもなりようがないふたりなのだ。
過去の男は想い出に変える

なので、この話に於いて、冷静に考えると絶対あり得ないのだけど、ケヴはアズボに惑わされ、最後には人殺しまでしたのに、あっさり捨てられた気の毒な男・・・のように見えてしまうのはなぜ?
そしてアズボはまさしく、『愛した男たちを想い出に変えて♪』(セーラー服と機関銃の一節)次に飛び立っていく感じだ。
飛翔の瞬間
EP1とまったく顔が違う





The Smoke(日本放映しようよー)はロコツにゲイだ云々言い放つレジェンド狂気の美学…よりはるかにそちらを匂わせてる感が高い。それはとりあえず私の主観に置いて…なのだけど。

などということを取り留めもなく思っていたら、過日、こんなブログに遭遇した。英文学者の大橋洋一氏がコードネームU.N.C.L.E.をゲイを示唆している云々。
今更だけど、こいうことを書くのもはまるのも大多数が女性である。スラッシャーも腐女子、貴腐人という言葉が象徴するように、たいていは女性だと思っていたのでちょっと意外に思った。まぁ、正統な大学教授の大橋先生が強調しなくても、コードネームアンクルに関しては、新ソロも新イリヤもしっかり腐女子の方々のターゲットとなりおかずにされているので、ご心配なく、多くの人がそう思ってます…と申し上げたいくらいなのだけど、面白いと思ったのはゲイ文学が専攻でもある大橋先生の上げる映画に於いてゲイを示唆している証拠となるもの。

1. トイレ (放尿して)性器に触れていれば確実度がより高いらしい。
2. 水

なのだそうだ。コードネームアンクルにおいては男性トイレが2度も登場。且つボートシーンの後、ソロは海に飛び込みイリヤを助けているのでもう明らかなのだそうだ。加えてこの水のシーンはヒロシおテーマだけど、原曲は失恋の歌ならしい。大橋先生は『これでゲイでないというならおじさん/おじいさんは怒るぞ』とまで言われている。こちらも是非一読していただきたい。

ふーーーーーーーーーーん。 

コードネームアンクルはすでにスラッシャーの対象内なので、異議申立より同意する人のほうが多いんじゃないかと思うが、とりあえず、私の偏愛的主観基準ではなく、ゲイ文学のプロである、この大橋先生の上げているゲイ暗示基準に沿って、The Smokeやレジェンドも検証してみようと思った。

それで・・・・大橋先生基準を当てはめると、純粋に労災のトラウマに苦しむベテラン消防士と暗い過去持つ少年の成長と飛翔の話の顔をしたこのドラマは、ゲイ示唆ポイント満載、ばっちりゲイ物語であるということになった。

先ずトイレ。(そして男性器関連) 
1. The Smokeで男性トイレがどれだけ出てきたか!ケヴはひとりになれるトイレでひそかにトラウマに苦しみ、すすり泣いていたりしていた。おまけに大将ケヴを探してウォッチの面々はしょっちゅうトイレにまで来ていたし、隙間からのぞいたりもしていた。

2. ケヴはお偉いさんも集まる表彰式で脱いで、傷だらけの下半身と機能を失った男性器もさらす。(これ日本放映あってもぼかしかなぁ? もちろん実物ではないはずだけど) 座布団3枚くらいのゲイ暗示? 

3. ケージファイト会場の男性トイレで酔っぱらいがケヴに便器で座って用を足せとからかい、キレたケヴはおっさんを頭突きして自らも流血していた。

4. ゴグも、最終エピで放尿した。デニス(アズボ)はそれを階上から見ていた。やはりゴグとデニスがヤったことあるとしか思えないのは正しいのね?

そして水。 
5. 驚くなかれ、タロン君はThe Smokeでも水に潜り、いじめる先輩マルに水の中で羽交い絞めにされもがいているのである。 ばっちり!?
6. これを水…に含めていいかどうかだけど、The Smokeでは仕事終了後の消防士の共同シャワーシーンも数回。男同士の裸の付き合い…とでも言わんばかりに。
7. この共同シャワーシーンでは一度も登場しないアズボ。でも単独シャワーシーンではフルヌード。キューピーボディとおしりのドラゴンタトゥーを披露。

その他ゲイを示唆してるもの
8. ケージファイト会場でゴグに声をかけるケヴは露骨に買春オヤジとしてあしらわれてたけど、これはトーゼン、ゲイ暗示としてカウントしてもよろしいですわよね、先生?

9. アズボの歓迎会にてアズボは目隠しに後ろでに手錠をかけられ、ドラッグクイーンにキスされていた。(この口紅のついたアズボは何気にお色気顔になる。)先輩たちの心づくしの歓待なのだけど・・・、ゲイ暗示?


余裕でコードネームアンクルなどはるかに上回るゲイ示唆度である。
つまり・・・私の目がオカシイわけではないのだ。
いまだにこの写真くらいしか流通してない?日本のウェブ

ではレジェンドは?  
こちらは大々的にゲイ云々公言している。 だけど大橋先生のゲイ暗示基準に当たるものは少ない…というかないに等しい。男性トイレは一度も登場しない。ただし、ゲイの宴シーンはあり、そのものはほんの5分もない、名士たちの乱交パーティだ。これも暗示どころかずばりではあるけどあまり色気が感じられないの。

水…雨の中でずぶぬれになるのはレジーとフランシス。これはちゃいますね。

この示唆度評価ポイントで数えると、プロパーでゲイの話のはずのレジェンドに拍子抜け、The Smokeのほうが萌え度は高くなるのは当然だったのか。大橋先生にはぜひともThe Smokeをご視聴いただき感想などもうかがいたいものです。

ついでなので、キングスマンも検証。
1. トイレ - キングスマン候補生寮は室内にオープントイレ。水責め最初のタスクの就寝前に一人の少年が用を足してベッドに行った。
2. 水 撮影に9日間かかったという、水攻めシーンを忘れる人はいない。
3. その他ゲイを示唆しているもの・・・義父手下のプ-ドルがハリーに「レントボーイがいるなら・・・」とハリーを買春ジジイ扱い。
<<2016 .02.21="">> もっと重要なのを失念していたことに気づきました!
4. ハリーは教会で自分は黒人のユダヤ教徒のBFと不倫中だと言った。

コードネームアンクルと同様、3点。なのでコードネームアンクルより1ポイント高い!
ちなみにコードネームアンクルでゲイそのものを指してるているものはなかったけど(大橋先生はパーティのトイレのバカちゃん共がおホモだちだと言ってらしたが、私の記憶ではそういう認識はない)こっちはずばり2件。このカテゴリーではそらぞらしい顔をしたThe Smokeと同じ。<<追記終>>

なるほどーーーー。
ハリーがエグジーに手だしてたらゲンメツ…なんて言ってる場合ではなかったのですね。
すごい勉強になった気がする。

新たなる発見にここで一旦〆ることにする。アタクシの主観の話はまた別途。つまりエロティシズム論をのちほどにします。

あ、ところでBAFTAの結果が出るのは何時なのだろう? むかーし、偶然、開場前の人だかりに遭遇してヒューグラントやジョン・トラボルタにお目に掛かれたけど、昼過ぎだった気がする。

そうすると発表は日本時間じゃよくて今日の夜中か明日早朝・・・かしらん。
私的にはそりゃタロン君にあげずしてどうする???くらいな気分なのだけど。


2016.02.15 朝 追記
タロン君残念だった~~~BAFTA!
やっぱ、映画のタイミングも大きいのか? だからSWは滑り込みしたのねー!
去年の公開直後(ほぼ1-2か月後)のエンパイア賞はとったもんなぁ・・・。規模がぜんっぜん違うからなぁ。。。。><。。。 当初の予定通り2014年10月で公開してたら、2015年で絶対とったてただろうにね。

それにしても…今や追っかけさんの数がスゴイ! 去年エンパイア賞のことなんて報道すらされてなかったものねぇ・・・。

『レジェンド 狂気の美学』 関連記事はこちら


The Smoke 関連記事はこちら








0 件のコメント:

コメントを投稿