2011年10月2日日曜日

ANBB 来日コンサート (恵比寿リキッドルーム)

昨晩行ってきました。

もうずっとコンサート類からは遠ざかっていたので、こちらのリキッドルームも来るのも初めて。
今まで私が見に行ったブリクサ(Blixa Bargeld)がらみのコンサートの中で一番小さい場所でした。
ノイバウテン(Einsuerzende Neubauten)初来日だって、倉庫みたいとはいえ、もっと広かった。 
オマケにあまり人が多くないのだ。 なんかさびしいなぁ。

後方のちょっと高台になっているカウンターコーナーをゲットしたので、そこに居座ることにする。 
ステージは良く見える場所だ。 このトシになって群衆の中でもみくちゃにはなりたくないわ。

前座が1時間。長かった。8時になってようやくANBB登場。人も増えてきた。
演奏が始まっているのに、グループでしゃべっている輩がうるさい。

なので、特等席!と思ったカウンターを離れ、前へ。 26年前と違ってもみくちゃになるほど暴れる人などもおらず、
すっとほぼ最前列に入り込めた。 前に来てよかった。

久々のブリクサ! プロモで見かけるような、顔を細く見せるための(?)、髪を顔に向かってなでつけるような髪型でなく(ファンなのかその髪型をした男性もいた)、普通に後ろになでつけてあって安堵。 
最後に見た16年前はまだ多少ツンツンさせてたし、何より、スリムであった。
シックなスーツは変わらず・・・であるが、明らかに5~6サイズはアップしてる。 
きっちり締められたベストのボタンに腹回りが感じられるのが…。

眼だけが昔とそれほど変わらない表情のままな気がした。 やはり、何気にくるんであげなきゃ…感を誘う目だ。 
今や、ちょっとかわいいおっちゃん。 いや、私だって今や立派にオバサンだから、人のこと言えないんだけどさ。

30年前とは音響機材事情が全く違うのもあるが、デジタルなコンピューター管理に頼っている。 生音がなさ過ぎて、
私のように、ブリクサを見ることが目的の古いファンならともかく、ライブめぐり組にはちょっと納得のいかないライブだったかもしれない。

ブリクサの声は変わらず、昔ほどマイクにかじり付きはしないが(たぶんマイクの性能が今はずっとよいのだ)叫ぶ。 
私は彼が自分の声を楽器の一部のように叫び、音を作るのに使うのが好きなのだ。
ANBB  CD に入っていた曲は一通り披露したが、おそらくCD収録時にはピアノだったり、弦楽器だった美しい音が
すべて録音で賄われていた。オマケに音質がいまいちであった。

ブリクサが何度も相方のAlva Noto(T-1000みたい)を じとぉ~んと何か言いたげな目で見つめていた。 
どうも、音構成がブリクサが思っていたものと違っているよう?   明らかにビートのテンポの変わる場所が、
歌とずれてるのもあった。 リハーサル不足? そしてブリクサがずっと右手に持っていたiPodのような小さなものは何?

といろいろ思いながら、それでも16年ぶりのブリクサの生姿も生声もうれしい。
アンコールの最後の曲で、音が止まった時にブリクサが一言 "That was a good one!" とT-1000に向かって言った。

なんだよ~。 やっぱそれまでは外してたんじゃん! 思わず吹き出してしまった。

ブリクサはT-1000の肩を抱き、頭をなでなでしながら退場していった。 T-1000は小柄なので、すっぽりと
長身のブリクサの腕の中に納まっていた。

思わず、「今度はノイバウテンで来てよね!」とブリクサの後ろ姿に向かって叫びたい衝動にかられたが、
それはいくら何でもT-1000に失礼だと気づきやめた。

ノイバウテン初来日の頃(85年)はバブル真っただ中。 あの当時、それでもインディーズであっただろう、
ノイバウテンのコンサートにあれだけの群衆が集まった・・・ってやっぱ、時代もあったんだろな。
バンドのメンバー全部来て、わけのわからん、機材だか、ガラクタも持ち込まれていたライブであった。 
2度目の時は会場はグレードアップしていたし。

今回は何気に欧州景気の悪さと、日本の景気の悪さも反映されているかのような、かつてに比べると
かなりシケたコンサートであった。 すべてに経費節約感が感じられた。 
(チケット代は初来日時の倍のような気がするが)

太ったおっちゃんになったとはいえ、久々にブリクサ見れたのはとてもうれしかった。
30年前の『この世で最も美しい男』である。(←これ自体、いいかげん恐しい気がするけど)
もう、ほとんど勝手になつかしい友のような気分になっている。

ここまで来たら、あなたの訃報を聞くまで、近所に来たら、観に行ってやるわ…という気になった。
最前列でじっと見つめてあげるよ、最後まで。 だから、また来てよね。


ブリクサ+ノイバウテン関連記事はこちら Einstuerzende Neubauten

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